2018和歌山でのワークショップ

318日(日)、

この日のおとあそび工房は、

いつもの魚崎ではなく、和歌山でワークショップでした。

 

これは、和歌山大学で音楽教育を研究されている先生方と、

おとあそび工房、代表の沼田さんとの

共同研究の一環として行なわれました。

 

和歌山へは、電車組、車組、そして、

チャーターしたマイクロバス組で会場に集合。

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バスの中では、子ども達がお菓子をほおばり、遠足気分。

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和歌山に到着後に昼食を済ませ、

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準備が済めば、いよいよワークショップ。f:id:riinumata:20180331140521j:plain

 

一週間前の11日に、和歌山一回目のワークショップがあり、

その時は沼田さん、鎌田さんのお二人で参加され、

和歌山で募集した参加者さん達とは、すでに関係を築いておられました。

とはいえ、会場である、

黒を貴重としたシックな佇まいの書道資料館、

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いつもと違う場所、

初めて出会う和歌山の参加者さん達に、緊張感が漂う。

 

一回目のワークショップで参加者さん達が作った、

大きな絵が3枚有った。

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これは、一枚の紙に数人が思い思いに描いて、

一つの作品にしたもの。

第二回目のワークショップの最初は、

おとあそびの会のメンバーが三枚の絵に合わせて

三組に分かれ、それぞれの絵を題材に、

順番にパフォーマンス。

 

そのパフォーマンスを見ながら、

同時に三人程づつその印象を絵にしてもらう。

大きな絵を題材にパフォーマンスをし、

そのパフォーマンスを絵にしてもらうという構図。

最初の大きな絵とは、また印象の違うそれぞれの絵が出てくる。

 

いつもと違う雰囲気に、

やや戸惑いを含みながらも、

いつものように楽しもうとメンバー達は、意気揚々。

 

まずは、渡瀬さんお得意の“わちゃラップ”を中心に、

子ども達が躍動する。

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次に、太鼓と踊りが一気に場を引き締める。

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最後の組は、題材の絵を譜面に見立て指揮をする。

一枚の絵の中の、色々な絵のパーツを指し示すと、

そのパーツに触発されて動く、音を出す。

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それぞれの組のパフォーマンス中に書いてもらった絵を発表し、

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ここで一度休憩。

 

第二部開始で、沼田さんから希望を聞かれると、

「歌」という声が上がる。

三人が出てきて、思い思いに歌を披露する。

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見事にバラバラ。

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しかし、そのバラバラな歌の重なりが、

思った以上に心地よく、面白い。

 

作品としては、一部の紹介パフォーマンスで、

おとあそび工房のお得意形式が出たのだが、

会場の雰囲気は、この「歌」が、

最もおとあそび工房っぽさが出ていた。

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「次、踊りたい人!」

という沼田さんの声に反応して、

おとあそび工房のメンバー、和歌山の参加者さん達、

入り乱れて、楽しそうに踊る。f:id:riinumata:20180318151602j:plain

ピアノや、様々な楽器が勢いをあおっていく。

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次は木琴。

数人が前へ出て好きなように演奏を始めるが、

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太鼓や踊りが混ざり込んでいく。f:id:riinumata:20180318152636j:plain

あっという間に最後の時間が迫ってくる。

 

第一部のおとあそび工房の紹介パフォーマンスの時、

書いてもらった絵の中に、
たくさんの顔が描かれたものがあった。

それを作者に持ってもらう。

絵が描かれた表が見えると、皆が声を出す。

ひっくり返して真っ白い裏面になると声を止める。

そんな単純な遊び。

 

説明を聴くだけでは、何が面白んだろうと思ってしまう。

しかし、これも、非常に面白いものになった。f:id:riinumata:20180318154651j:plain

 

作者がなかなか表を見せない。

じらしてじらして、するうちに、

会場全体の意識が作者の動きに凝集する。

表が出ないイライラ、ワクワクといった焦燥・期待。

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ちょっとしたことで、じらされている時間がキラキラしている。

チラッと絵の端がまくれ上がっただけで、

皆が待ってましたとばかりに一斉に声を出す。

が、一瞬でひっくり返されてしまう。

声を出すのも一瞬で途切れる。

フラストレーションが溜まる。

「ちゃんと出してくれ」

「しっかり見せてくれ!」

「声を出したい!」

そんな地味なやり取りが続く。

なんて贅沢で濃密な時間、空間。f:id:riinumata:20180331143344j:plain

しかし、これ以上続くと、飽きてしまうかもという、

良いじらし感が高まりきった頂点。

 

作者がパッと絵を表に掲げた。

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「あー!」「わー!」

爆発するように声が上がる。

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皆の意識を惹き付け、じらし、ずらし、

冷める前、高まり切る寸前での開示。

作者は、会場の雰囲気を見て、

計算してやっていたのではない。

後で聞くと、

もともとじらすのは好きらしく、

意図的であったようだ。

 

しかし、機を捉えることは、

計算ではできない。

計算してやると、

確実にそれらのタイミングはズレてしまう。

空気を読もうとしたら、

読んだ瞬間に次の空気に流れ、変化している。

だから、間に合わない。

 

それを、ワークショップ参加二回目の、

一般の参加者がやってしまう。

それは、技術では出来ない。

 

参加者達それぞれに、そして、その場の中で起ることに

ちゃんと関わり合って、

それに対して反射的に身体が反応して湧き起こる。

だから、その場に居る人全員の心が動く。

だから、面白い。f:id:riinumata:20180331144004j:plain

 

おとあそび工房の真骨頂が表出した。

そんなパフォーマンスが、

和歌山でのワークショップを締めくくった。 

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 このワークショップも模様は、
和歌山の地元の新聞に掲載されました。
http://www.wakayamashimpo.co.jp/2018/03/20180322_78045.html
こちらも是非見てくださいね。

 

次回、おとあそび工房ワークショップは、
4月8日(日)
10時~12時

いつもの魚崎の
東灘区民センター小ホール
です。

 

文:白藤